ピアノ発表会の撮影の一連の流れ

ピアノ発表会の撮影を依頼されました。今回は横浜のある大きめの公会堂での撮影依頼です。打ち合わせから当日の撮影、パソコンに取り込むまでの流れを紹介します。
撮影依頼、受付
まず、その日が撮影可能かどうかダブルブッキングしてないか確認します。
ブッキングして撮影依頼を受けてしまうと大変なことになります。相手に多大な迷惑をかけることになります。
初めての撮影依頼の場合打ち合わせは必須となります。
公会堂での打ち合わせ
先生と対面での打ち合わせの日程を調整します。
打ち合わせは必ず対面で発表会の行われる公会堂で行います。
メールや電話のやり取りだけで当日の撮影に臨むことはお互いに不安があると思います。
仕事はやはり最終的には人間関係なので、必ず対面で会って、お互いの人となりを理解した上で仕事をしたいと思います。
また、公会堂での打ち合わせは、ステージとカメラの距離、公会堂の広さなどを体感しないとイメージがつかめないからです。
ホール担当者との打ち合わせ
ホールの音響担当の方とも同席していただきます。
釣りマイクの音をキャノンケーブルで頂けると客席の話し声やくしゃみや赤ちゃんの鳴く声など軽減できます。
会場のマイクの音がもらえない場合にはピアノ近くにマイクを立てて、なるべくピアノの音が際立つようにします。
撮影位置の確認
撮影位置は、ホール客席の最後尾の中央が基本になります。1カメラ撮影か2カメラ撮影なのか、3カメラ撮影なのか確認します。連弾がある場合は、正面からだ演奏者の顔が被ってしまうので。正面右からもう1台カメラで撮影するすると連弾で撮影している演奏者の2人の顔がよく見える場合があります。カメラの数が増えると費用も増えるので、そこは相談です
撮影画角の確認
どの画角で撮影するかを確認します。
ピアノと演奏者の全体が入る画角が基本となります。
全体ピアノの手元を入れるか、上半身なのか、後ろから撮影なのか、前から撮影なのか、角度を撮影します。
もし可能であればカメラをピアノの背後に設置して背後からピアノを弾いている人の顔を撮影するなどのもできます。
画角を今まで撮影した動画を見てもらいながら。先生と私のイメージを共有します。
納品形態の打合せ
データのままの納品でよいのか。編集は必要か?
編集が必要な場合、不要部分のカット2カメラ3カメラの合成、曲名、作曲者などテロップ挿入も確認します。
演奏者、曲名、作曲者をテロップで載せる場合には、プログラムデータなどをwordやExcelなどのデータでいただいて、編集作業に使います。
納品形態はデータでよいのか?データの場合はOneDrive等クラウドにアップしてダウンロードしてもらいます。
DVDやBDを作成する場合もあります。最近はネットで見たりスマホで見たりする人が多いのですが、DVDやBDして保存することで管理が楽になります。また物として残るので。根強い人気があります。親戚の集まりやその他で、みんなで見ることができます。
将来ですが、転勤、結婚などしても物としてあるので一緒に持って行くことができます。
自分が親になった時にそれを子供に見せることができるかもしれないという夢が膨らみます。
DVDやBDにした時に、盤面印刷やパッケージ印刷にするかも確認します。
白版のDVDだとぞんざいに扱われてしまう可能性があります。やはりアルバムとして充分な価値を持つように、きれいに盤面印刷をしてパッケージにすると価値が出てきます。
最近は、DVDやBDが使われなくなって久しいですが。ピアノ発表会では、根強い人気があります。

撮影当日
撮影当日は、発表会の3時間前から2時間半前に会場に到着するようにします。
三脚を立ててカメラを準備します。ホールの明るさやホールの照明の色温度などしっかりと確認します。
マルチカメラで撮影する時には、3台のカメラの色が合うように。カラーチャートもしっかり撮影しておきます。
必ずバックアップ用のカメラも用意します。カメラは精密機械なので、いつエラーが起きるかわかりません。
必ず全体風景が撮れているようなバックアップカメラは必須です。
ホールの音源をいただきます。ホールの音源は32ビットフロートの録音機でもれなく録音します。
以前は32ビットfloatの録音ができなかったので。ピアノの音が極端に大きくなったり極端に小さくなったりすると適正レベルで録画できなくて焦りましたが、現在は32ビットfloatで小さい音か爆音までもれなく録音できるので音源のレベルを気にしなくて収録できるので、撮影に集中できます。カメラ設定が終わったらば、多くの場合リハーサルをしているので、そのリハーサル風景を撮影して本番に備えます。
その他の様子の撮影
本番前の会場の様子、先生の演奏している様子、あるいは受付の様子なども場面イメージとして撮影しておきます。
本番の撮影
いよいよ本番です。準備がしっかりしていると、本番はある意味で録画ボタンを押し忘れないということが一番大事になります。
録画ボタンを押し忘れて録画し忘れたら、これは。ビデオカメラマンとして、地獄を見ることになります。
撮影が終わったらば、落ち着いて電源を切ります。焦って電源を切ると大変なことになります。万が一データが飛んだらば、こちらも地獄を見ることになります。
撮影の片付けとデータの取り込み
カメラ機材の片付けをして、会場を後にします。スタジオに戻り。落ち着いてパソコンに取り込みます。
パソコンに取り込んで再生ができているところまで確認して一安心ということになります。
基本、4Kで撮影しているので、その晩のうちにプロキシファイルを作っておきます。
プロキシファイルを作っておけば、4K動画の重たいファイルでも安定して編集ができます。
プロキシファイル変換には長い時間かかるので。一晩中、パソコンが動いていることになります。
すでに取り込めているので、安心です。
以上が撮影の流れになります。ぜひピアノ発表会を撮影しようと依頼する方は参考にしてみてください。
今はスマートフォンのカメラ性能がとてもよくなったので。ビデオ業者に依頼した映像より、客席からスマホで撮った方が綺麗だということが起こります。スマートフォンで撮影した映像がビデオ業者の映像と見間違うほど綺麗に撮れます。確かにスマホで十分ですが、やはりズームが効果的で演者のアップ画像が撮れたり、編集でマルチカメラ、DVDやBDに残したりというところは、ビデオ撮影の優位性があるのではないでしょうか。